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何から始める?英語学習の全体像と効果的な手順を解説②

英語学習の全体像

こんにちは、Pump Up Englishです。

前回の記事では、「英語学習の下準備」として、【目標設定と習慣化のコツ】をお伝えしました。
今回はその後半として、【具体的な学習方法と順番】をご紹介します。

実際のところ、英語学習と言っても文法問題を解いたり、シャドーイングや英会話スクールなど、
様々なやり方があり、「果たして自分は何から始めたらいいのか」と迷ってしまいませんか。

この記事では、初学者の方でも迷わず英語に取り組めるよう、学習の全体像と効果的な学習ステップをご提案します。

最終的には英語を話せるようになるまでの「ロードマップ」をご紹介しますので、
英語学習の参考にしてもらえれば嬉しいです。

まずは基礎固め!「語彙」「文法」「発音」を学ぼう!

まず取り組むべきことは、「語彙」「文法」「発音」の3つです。「単語と文法をまず鍛えるのが大事っていうのはなんとなくわかるけど、発音もやるべきなの?」と思う方もいるかもしれません。なぜこの3つを最初に鍛えるべきか、一つずつ解説していきます。

●語彙●
英語の基礎を養う上でまず学ぶことは、「単語力のアップ」です。この点に疑問をもつ方は少ないと思うのですが、一応ぼくの見解を書かせていただきますね。

英語の文というのはそもそもどういうパーツで出来上がっているかを考えてみましょう。英文は、人間の身体で例えると、文法や構文といった「骨組み」に、単語という「肉」がパズルのようにペタペタはめ込まれて出来上がっています。つまり、単語は英文を構成するいわば最小単位であり、その最小単位を知らなければ、「パズル」を完成させる(=英文を作る)ことはできません。なので、まずは単語力を鍛えることをお勧めしたいんです。

なお、「勉強してもなかなか覚えられない」という方も多いと思います。以下のページでは具体的な単語学習の方法や記憶に定着させる方法などを紹介していますので、ぜひ見てみてくださいね。
→《別記事:【覚えられない…にさようなら】確実に単語を覚える2つのコツ!

●文法●
上記「語彙」の中でも書きましたが、文法は英文を作る上での「骨組み」です。
伝えたいことがきちんと伝わるためには、単語をどういうルール(文法)で当てはめていくかを理解することが大切です。
目標は、「中学レベルの英文法を身に着けること」をお勧めします。というのも、実際の会話では、中学3年間で習う文法を駆使できれば、おおよそ事足りるといわれているためです。

ここで、「文法を勉強しましょう!」というと、「文法は苦手」「結局は暗記作業でつらくて続かない」という方も多いかもしれませんが、大丈夫です!学生時代にやったただの丸暗記方式ではなく、「ネイティブがどういう感覚でその構文を使っているのか」など、丸暗記に頼らない文法学習を紹介していきます。

なお、「英語を話すために文法は不要だ!実際に会話をたくさんすれば話せるようになる!」という意見を聞くこともありますが、ぼくは誤りだと思っています。なぜか。理由は以下のとおりです。

文法を知らなければ、英文の意味を正しく理解できない、もしくは正しく相手に伝えられないから

文法は英文を作る上でのルールなので、どのルール(=文法)が使われるかで英文の意味は当然変わってきます。そのため、文法を知らなければ、英文の示す意味は理解できなくなってしまいます。具体例を見てみましょう。以下2つの英文の意味の違いは何でしょうか。

I don’t really like apples.
I really don’t like apples.

2つの文の違いは“don’t”の位置が“really”の前か後か、の違いだけですが、意味は大きく異なります。
上の文は“don’t”が“really like apples(本当にリンゴが好きだ)”を打ち消すため、「リンゴはあまり好きではない」という意味になります。
一方下の文は、“really”が“don’t like apples”の意味を強めている構図になり、全体として「本当にリンゴが好きはない」という意味を示しています。
文法を学ばないとこのように、意味が理解できないということが起こってしまいます。

また、もう一つ例を挙げておきます。

例えば、出かけようとしている旦那さんに奥さんが、「帰りに牛乳を買ってきてくれる?」とお願いしたい時、英語では
Can you get some milk on the way home? というような言い方ができます。
この英文を正しく作るためには、主に以下の文法知識が必要になります。

①Can you~?という言い方で相手に何かお願いごとを伝えられる。(助動詞の使い方)
②「~を得る」と表現したい時は、getの直後に得たいものを置く。(他動詞の使い方)
③on the way to ~ で、「~に行く途中で」という意味になる。なお、homeは副詞で、「家へ、に」という意味なので、ここではto homeとはならない。(熟語や副詞の知識)

これらの文法知識を無視して、you the way can some get milk on home? と言ったとしても当然意味は伝わりません。

英語を使う目的は、他者とコミュニケーションを取ることですよね。ならば、自分のメッセージが相手に正しく伝わらないと意味がありません。そのためには、お互いのメッセージを理解するための共通のルールである「文法」に則って話したり聴いたりするのが得策なわけです。

●発音●
英語の音について学ぶことも基礎力を高める上で大切です。
単語や英文を自分で発音できることで、以下2つのメリットがあるんです。

①音声変化(例:連結、脱落など)に気づけるため、リスニングが飛躍的に向上する。
②正しい発音ができることで、言いたいことが誤解なく相手にきちんと伝わる。

NOTES:
「音声変化」とは発音する時に起こる音の変化のことで、例えば、隣り合う2つの単語がまるで1つの単語のように音がつながって発音されたり、つづりの一部が発音されずに脱落してしまったりする音の現象です。この音声変化をきちんと学ぶと、リスニング向上に大きな効果があります。
(例: “hold it”を「ホールド イット)ではなく、「ホー ディット」、“get her”を「ゲット ハー」ではなく、「ゲッ ハー」と発音する、など。

では、正しい音で発音ができるようになるには、何をしたらよいか、ということですが、ぼくは以下2つのトレーニングをお勧めします。

①発音記号を読めるようにする。
②フォニックスを学ぶ。
※学ぶ順番は、①→②の順が好ましいです。

まず「発音記号」ですが、これは辞書を引くと必ず出ている[hænd]とか[pɑ:k]といった、発音の仕方を教えてくれている記号のことを指します。アルファベットに似ている発音記号も多いのでなんとなく読める、ということもありますが、その一方で、[ː][ð][ʊ]など、見慣れない記号もあります。
地道ですが各記号の示す音を一つずつ覚え、自分でも発音できるようにしていきましょう。
《→別記事:発音記号を学ぼう!》※作成中

また、「フォニックス」という言葉を聞かれたことはありますでしょうか。
フォニックスは、アルファベット(文字)がどういう音で発音されるのか、を教えてくれるものです。例えば、アルファベット“A”は「エー、エィ」というように呼ばれますが、あくまでこれは“A”という文字の「名前」です。
一方、“A”の発音は/æ/となります。この/æ/の前後に、/k/、/t/という2つの子音を添えると、“cat”[kæt]という単語としての発音が完成します。つまり、まとめると以下のようになります。

 “c”の発音は/k(ク)/、“a”の発音は/æ(エァ)/、“t”の発音は/t(トゥ)/となり、これら3つの音を合わせると、“cat”[kæt]と発音されると理解できるのです。

フォニックスを学ぶことの大きなメリットは、「つづりと発音を一致することができる」ということです。例えば、“but”“bat”“bot”を正しく発音できるでしょうか。
これら3単語に使われている母音(u、a、o)は異なって発音されますが、その音の違いがきちんとわかると、発音を聴いただけでつづりがわかるようになります。

☆ここまでのまとめ☆
まずは「単語」「文法」「発音」の3つから基礎力をつけていきましょう。
知識をきちんとインプットしておくことで、「話す」「書く」ための大切な土台が出来上がります。当たり前ですが、自分が知らないことは話せません。

また、聞き取りができるようにと英語字幕で洋画を見てみたり、いきなり英会話教室に通いだしたりする方も中にはいると思うのですが、挫折しやすくなるため正直おすすめはしません。(もちろん、楽しむ目的で洋画を使ったり、外国人講師に教わりたいからスクールに通ってみたい、という目的では構いません)

英語を話すにしても読むにしても、まずは語彙や文法の理解、音声の知識があって初めて英語を使うことができます。地道ですが、話せるようになるためのトレーニングですので、コツコツやっていきましょう!

「音読」で、覚えた単語や文法を使えるようになろう!

単語、文法、発音の3つをおおよそ学べたら、音読を取り入れます。
ぼくがこれまでの英語学習で最も大きな効果を感じたのが、実はこの「音読トレーニング」です。音読をすることの主なメリットは次のようなものがあります。

「語彙・表現が使える(話せる)ようになる」
「構文力が身に付き、スピーキングのための良い下地が作れる」
「自分で発音できるようになることで、リスニング力がアップする」
「黙読するときのスピードが上がる」

音読トレーニングの大きな特徴は、4技能(読む/聞く/書く/話す)すべてのスキルアップに大きな効果が期待できることです。
ぼくも学生時代にこの音読トレーニングをやったことで、2~3か月の間にTOEICで約200点のスコアアップを達成しました。
なぜ音読トレーニングはここまで優秀なのか、その理由を解説します。

「音読トレーニング」というのは、お手本となる英文と、それを読み上げている音声を使います。
まず、実際に自分が音読をする前に、「分からない単語や構文を調べる」「お手本の音声を聞いて、アクセントやイントネーション、ポーズの場所などを書き込む」などをし、最終的には、お手本の音声にそっくりまねて音読できることを目指します。
このような手順を踏むことで、文法的に正しい英文の型(構文)を自分自身に刷り込むことができるので、その表現を使える(話せる/書ける)状態になります

さらに、自分が「話せる/書ける」表現は、当然「読む」時のスピードアップにもつながります。もし知識がはやふやな単語や熟語の場合、「この単語の意味、何だっけな・・見たことはあるんだけど・・」となってしまいますが、音読を通して語彙を学んでいる場合、見た瞬間にその語彙を理解できるんです。

音読に関する詳しいやり方などは、ぜひ以下の記事を読んでみてくださいね。
《→別記事:英語4技能に効果絶大!「音読」の具体的な効果と進め方

「英作文」でアウトプット力を鍛えよう!

音読によって、様々な構文や表現を使うことに慣れたら、いよいよ本格的なアウトプット練習に入ります。「英作文」といってもエッセイのような長い文章ではなく、「一行英作文」のような短い英文なのでご安心を!

ここでアウトプット型の学習方法に切り替えるのは、以下の理由のためです。

自分が経験したことを題材にすることで、学んだ語彙や文法が定着しやすくなるため。
 <自己関連付け効果>
学んだことを思い出すことで、話せる/書ける単語や文法を増やしていくため。
 <テスト効果>

順番に解説していきます。
まず①ですが、例えば「今日行ったお店で食べたランチのステーキがとてもおいしかった!」という、実際に経験したことをトピックにして英文を書くと、「おいしかったな」という感情とともに英作文練習ができます。ここで重要なのは、「自分に関連している」「感情が動く」ということです。覚えたいことを自分に関連付けて覚えようとすると、その情報が記憶に残りやすくなります。さらに、その時の感情を思い出しながら頭の中で映像化すると、深く記憶に刻まれることも証明されており、心理学において「自己関連付け効果」と呼ばれています。

そして②についてですが、暗記をする時、単に読んだり書いたりするだけよりも、覚えたものを思い出す作業をすると、より記憶が強化されることがわかっています。これを「テスト効果」といいます。この英作文の学習をする前の段階で、語彙や文法のインプットをやっていると思いますが、そこで覚えたことを、この英作文学習で使ってみる、つまり「思い出す」ことで、単なる知識が使える知識として深く身に付くことが期待できるんです。また、この「テスト効果」は、英会話スクールなどで、覚えた表現を実際に使ってみることでも効果が期待できます。

以上、アウトプット学習の第一歩として、自分が好きなこと(=感情が動くこと)や、毎日やっているルーティン(仕事から帰ってから寝るまでにやっていることなど)を英語で書いたり、実際に言ってみましょう。その時、うまく表現できないことが出てきますが、辞書などで調べれば、自分オリジナルの表現を身に着けることができます。

参考記事

英作文の効果ややり方はこちらの記事を読んでみてください。
「話せる」ことへの第一歩!「英作文」のコツを紹介!

「独り言」で発話力アップ!

ここまで「音読」と「英作文」で、アウトプットする(英語を話す/書く)ための下地をしっかり作ってきました。
ここからは「独り言トレーニング」を取り入れ、口頭でのアウトプット力を鍛えていきます。

「独り言トレーニング」は、「身の回りのことや興味のあることについて、英語で独りで話す」というアウトプット練習です。独り言で得られるメリットは、以下のようなものがあります。

これまで覚えてきた単語・熟語・文法を、口頭で瞬時に使えるようになる
話を展開させながら、英語で話すトレーニングができる
コストをかけず、一人で行うことができる

やり方は、いたってシンプルです。例えば、「今日食べたランチについて」や「毎日の通勤について」など、自分が実際に体験したことを相手に説明するように話します。例えば「今日食べたランチ」に関して話してみたければ、以下のような独り言が言えそうです。

I went to a new Italian restaurant near my office to have lunch today. The diner is located along the boulvard leading to Shinjuku station, so its convenient location may help the eatery have the large number of customers. I ate a creamy spaghetti, which is the restaurant’s speciality. It tasted so great that I would want to eat it every day.

今日は会社の近くに新しくできたイタリアンレストランにランチを食べに行った。新宿駅に向かう大通り沿いにあるこの食堂は、その便利な立地も手伝ってか、お客さんが多い。私はこの店の名物であるクリームスパゲッティを食べた。毎日でも食べたくなる味だった。

書くときに難しい文法などを使う必要はありません。

あくまで重要なのは、「知識を使える状態にする」ことです。

『英作文でアウトプット力を鍛えよう!』でも書きましたが、「自分に関連のある事/経験したこと」を題材にすると、その時に使った表現などが身に付きやすくなりますよ。

《→別記事:「画像」「感情」「記憶」と結び付けると覚えやすくなる》※作成中

以下の記事では、「独り言トレーニング」の具体的な方法や得られるメリットなどを詳しく解説しています。ご興味があれば、ぜひご覧くださいね!
《→別記事:独学でも英語ペラペラに!「独り言」のやり方とコツを紹介!

英会話スクールで実践的に会話力を鍛える!

音読や独り言トレーニングを通して口頭で英文を作る力がついてきたら、実際の会話スピードについていけるよう、瞬発的に英語をアウトプットできることを目指していきましょう。この練習に打って付けなのが、実際に英語で会話をしてみることです。

英語を学んでいる方の中には、「英会話スクールに通ったほうが良いのかな?」と疑問を持たれる方もいると思います。まず、ぼくの結論としては、「通える時間やコストを捻出できるのであれば、ぜひ通ってほしい」と思っています。なぜなら、「講師と実践的な会話をすることで得られるメリットは本当に多い」からです。

詳しい内容は英会話スクールに関する記事を読んでいただきたいのですが、ここでは「英会話スクールに通うことのメリット」を大まかにお伝えします。

英会話スクールに通う主な利点
英文をアウトプットする(口から出す)瞬発力が養える
インタビューのような「一問一答」ではなく、会話を広げるためのフレーズや方法を実践的に学べる
相槌の表現が学べる
プレゼンテーションなどに備えて、ロールプレイ(事前練習)が行える
発言した英文を適切な言い方にその場で訂正をしてもらえる
様々な講師を選択することで、多くの発音(アクセント)に慣れることができる

英会話スクールを使う場合にもっとも重要なこと、それは、「“教わる”のではなく、能動的に自分から学びに行く」というスタンスです。つまり、学校の授業のように受け身で教わるのではなく、「事前に教材を見て疑問点をチェックし、講師に質問をする」「事前に英文の発音などを調べておく」「最近覚えた単語3つをレッスンの中で使ってみる」など、「積極的にレッスンを使ってやる!」と意識すると、英会話スキルが間違いなく上がります。

まとめ

ここまで、初学者が英語を話せるようになるまでの学習方法とその順序を書かせていただきました。
英語を習得するのは時間がかかるし、とにかく地道に取り組まないと成果が見えづらいですね。

しかし、語学は継続してコツコツやっていけば、誰でも話したり書いたりできるようになります。大切なのは、「英語を継続的に学べる習慣作り」や「いかに楽しく英語に触れることができるか」ということなんです。

皆さんが少しでも英語を楽しく、前向きに学んでいける記事づくりをしていきますので、ぜひ参考にしてもらえれば嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします。

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